昔々、着物をどのように洗っていたかご存じですか。
現在では、クリーニング店へ着物を持ち込むと、着物の形のまま「丸洗い」ができますが、昔の人たちは、着物を解き「洗い張り」という洗い方をしていました。
和服の洗濯法である洗い張りの一種である「伸子(しんし)張り」があります。
伸子張りとは、和服をほどいて反物の形に縫い合わせ,洗ってふのりをつけ,両端を張手棒でとめて長く張ります。
布の両耳に伸子(両端に針のついた40cmほどの細い竹棒)をかけ並べ,竹の弾力で布を張っていきます。着物一反に、およそ300本の伸子を用いるそうです。
着物を解く作業でも、慣れていなければ2時間。
反物になった生地を手洗いし、伸子張りを終えるのにどれほどの時間がかかっていたことでしょう。
その氣が遠くなるような作業を終え、また着物へと仕立てます。
義母も、昔着物を普段着として着ていました。
電車に乗って、裁縫を習いに行き、自分で反物から着物を仕立てていたそうです。
昔は庭が広く、裾が汚れてきたことを目安に、着物を解き、洗い、伸子張りもよくしていたそうです。
着物の洗い張りについて話を聞くと、
「今はお金払ったらクリーニング屋がしてくれる。
伸子張りの道具も全部捨ててしもた(しまった)。
そんなやり方なんて知っても、もう誰もせえへん(しない)。」
それでも、「知らない」のと「知っている」のでは違います。
古き良きを知り、着物とともに今を生きる。
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